東京のシンボル、東京タワー。
TOKYOの文字の隣に最もよく描かれているのが、この赤い電波塔なのではないだろうか。
東京で一人暮らしを始めて早数年。
私はこのタワーを日常に感じたくて港区在住女子になったのだ。
東京に染まりたい田舎娘

私が初めて東京タワーに行ったのは十数年前の小学校の修学旅行であった。
その時は展望台から見た景色より、真下から見た東京タワーの大きさに驚いた。
この高さこそが高度経済成長の象徴、日本人が積みあげたロマンなのだと子供ながらに感じた。
地方の田舎育ちの私は、絶対東京タワーが見えるところに住んでみせる!と、この時決意したのだ。
大学生になり上京すると、東京タワーがあるのは港区で、その港区はある種のネームバリューがあることを知った。
周りのみんなは、港区という土地や住んでいる人に一目置いていた。
港区女子なんて言葉も出てきた頃だった。
それだけ魅力がある地域なら、堂々と東京に住んでいると言えるではないか。
当時の私は、都心の大学に通いつつも神奈川県に住んでいたため、余計に東京に固執した。
しかも東京タワーを身近に感じることができたら長年の夢も叶う。
田舎者丸出しの私は、こうして港区の東京タワー周辺に引っ越したのだ。
港区というネームバリューだけではない、周辺地域の魅力

実際に住んでみるとこの東京タワー周辺地域は非常に生活しやすい場所なのだ。
言うまでもないが、電車でのアクセスがとてもいい。
いくつもの駅を利用できるため、どこへ行くにも大体30分以内に行ける。
そして、スーパーやドラッグストアなどの日用品を購入するお店も充実している。
周辺には学校や大使館が多く、ファミリー層の居住者も多いからか、どこかほのぼのした雰囲気があり治安面も安心だ。
そしてなんといっても、東京タワーがある芝公園一帯は東京のど真ん中にいることを忘れるくらい緑にあふれている。
生い茂る木々にアリが往来する砂道、春には桜や野花が咲き誇る。
しかし増上寺を抜けて芝公園の広い芝生へ行くと、東京タワーが堂々と立っていて、ここは東京なんだと思い出させる。
この景色を楽しみながら、コーヒーを片手に散歩をするのが私の至福だ。
もちろん、散歩のお供のコーヒーが買えるカフェも充実しているため、カフェ巡りもできる。
夜になり、少し飲みたいなと思ったら、気軽に行ける飲み屋だってたくさんある。
気持ちよく飲んだ後にも、淡く赤くライトアップされている東京タワーを横目に散歩しながら帰宅できるのだ。
東京タワーが憧れの象徴からホームへ

同じ港区でも、六本木や青山周辺とは違い、東京タワーの周辺地域は庶民的な空気が漂う気がする。
そんな地元感があるからか、精神的にも金銭的にも負担は感じず、充実した生活が送れている。
今でこそ東京タワーは見慣れたが見飽きることはない。
仕事終わりに最寄駅から自宅までの帰り道、私は東京タワーを見ると今日も仕事が終わったと思うのだ。
東京タワーにただいまを言った後、再度いってきますと言って六本木方面に向かう私は、港区女子より港区ライフを楽しんでいるはずだ。
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