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上京、はじめての一人暮らし。僕と立川のディープなお店たち

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大学合格の通知を受け取ってから、あっという間に東京での一人暮らしが始まった。

初めての一人暮らしという環境の変化の中で、僕の心は少しずつくたびれていく。

慣れない環境の中で、僕の心を支えてくれた立川のディープなお店たちのおはなし。

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大学合格、上京

【合格おめでとうございます】

受験番号と生年月日を打ち込んで出てきた画面はなんだか無機質で、現実味がなかった。

【合格通知書を発送致しましたのでー】

何度もスマホの画面を見直す中で、ようやく実感が湧いてきた。

そうか。

やっと大学生になれるのか。

第一志望ではなかった。

しかし、全落ちした現役時代に比べれば、喜びはひとしおだった。

同級生たちから遅れること1年。

待ちに待ったキャンパスライフへの期待で胸がいっぱいになった。

家探し

合格した大学は東京都内の私立大学だった。

高校まで地元愛知県で家族と暮らしていた自分にとって、初めての一人暮らしとなる。

「下宿先は学校の近くがいいんじゃないの?」

母からの勧めで、八王子にある大学のすぐ近くで家探しをすることになった。

「八王子」といえば、全国ニュースのお天気コーナーでも東京の左側に名前が出るくらい、全国的にも有名な街である。

(これはえらく都会に住むことになりそうだなぁ)

なんて思いながら降り立った駅で、僕は愕然とする。

京王堀之内駅

大学近くの京王堀之内駅は、思っていたよりもむちゃくちゃ田舎だった。

東京と聞いて思い浮かべるビル群やおしゃれなカフェはどこにもない。

少し歩くと田んぼや畑が広がり、のどかな田舎の国道が遠く彼方まで伸びている。

聞いていた話とだいぶ違う。

もっと洗練された都会の雰囲気を期待していた。

(これじゃ地元と変わらないじゃん…)

がっくりと肩を落としながら、駅前の不動産屋で渋々物件を決めた。

契約に必要な書類の処理には数日かかるとのことだったので、一旦愛知に戻って知らせを待つことにした。

立川、第二の故郷

それから半月ほど経った。

けれど一向に不動産から連絡がない。

おかしい…

このままでは新学期が始まってしまう。

待ちきれずに不動産屋に電話すると、

「実は、担当者がひと月ほど前から出社していませんで…」

なんと、担当してくれた人が急に無断欠勤するようになり、契約が一切進んでいなかった。

このままじゃ家がないまま新学期を迎えることになってしまう…

そう思い急いで2度目の上京をすることに。

「もっと栄えてる街の不動産じゃなきゃダメだわ!」

という母に半ば引きずられるようにしてたどり着いた場所こそ、運命の街、立川だった。

立川に住む

立川は思っていたよりもだいぶ都会だった。

JRの中央線と南武線、それに私線の多摩モノレールが通っていて、都心にも横浜の方にも出やすい。

駅周辺には伊勢丹や高島屋、ルミネなど多くの百貨店が軒を連ねている。

駅から少し歩くと映画館やIKEAもあった。

ここがいいな。

即決だった。

思い描いていた東京の街がそこにあった。

すぐさま駅前の不動産に駆け込んで部屋を決めた。

幸いにも契約の手続きはスムーズに進み、入居と引越しの日取りを決めたらあとは一瞬だった。

こうして僕は、立川駅北口徒歩13分の1Kマンションに住むことになった。

環境の変化

引っ越しの荷解きが終わらないうちに大学の入学式があった。

僕の大学は所謂マンモス校だったので、スーツに身を包んだ新入生が駅から長蛇の列を作って会場に向かっていた。

その列の両側に、サークルの勧誘だろうか、在校生たちが取り囲んで誰彼かまわずビラを配っていた。

遠くでは応援団や吹奏楽団の演奏の音が聞こえている。

こんなに賑やかな状況にもかかわらず、僕の心はどこか晴れなかった。

それは、今思えば、突然始まった一人暮らしという環境の変化によるものだったのかもしれない。

理想と現実

一人暮らしというと、自由で気ままなイメージがあるかもしれない。

確かに実家で暮らしていた時と比べて、自由度は格段に上がった。

食事も風呂も就寝時間も、全ては自分の思うままだからだ。

でもそれは、裏を返せば、全てのことを自分で責任を持ってやらなければいけないということでもある。

掃除や洗濯、炊事に買い出しなどなど。

人は生きていくだけで日々たくさんのことをこなさなければならない。

実家にいれば、それは母親だったり父親だったりが代わりにやってくれていた。

今は全てを一人でこなさなければならないのだ。

加えて、大学が始まってからは授業の準備や課題に追われていく。

新しい人間関係も作らなければならない。

こうして、新生活が始まってひと月と経たないうちに、僕の心はすぐに容量オーバーになってしまった。

疲れた心を癒してくれたディープなお店たち

段々と学校に行くのが億劫になり、自宅に引きこもるようにもなった。

食事を作ることも面倒になったが、かといって外食するだけのお金も気力もない。

バイトを探す気にもなれず、ただ無為に一日を過ごしていく。

やがて一日に一度、自宅とコンビニを往復することが日課になった。

素敵な水族館

いつもと同じ、自宅前の通りを往復する日々。

そんなある日、自宅のはす向かいに小さな熱帯魚屋さんがあることを知った。

「多摩水族館」

そこは、少し変わったその店名からは想像もできないほど美しい空間だった。

店内では、色とりどりの魚たちがネオンに照らされてゆらゆらと優雅に泳ぎ、舞っていた。

水のろ過機がこぽこぽと動く音と、時折魚が飛び跳ねる音以外は、凛とした静寂に包まれている。

一人暮らしで疲れた僕にとって、そこは妙に心が安らぐ空間だった。

店の外では、白髪で小柄な店主が近所の子どもたちと楽しそうに会話している。

そういえば、初めて生き物を飼ったのは縁日ですくった金魚だったな。

そう遠くない昔を思い出し、途端に故郷が懐かしくなった。

海鮮丼とおでん食べ放題

通りをさらに進むと、

「海鮮丼とおでん食べ放題の店 モンロー」

という看板が見えた。

もともと外食する気は無かったが、ドアの隙間から漏れ出る明かりと店内から聞こえる楽しそうな声に誘われ、不思議と店の中に足を進めていた。

マンションの1階部分のテナントに入っているその店は、入ってみるとカウンターが6席程しかない小さな店だったが、既に何人かの先客がいた。

「おう、いらっしゃい。狭いけど勘弁してくれよ」

店主は気さくに話しかけてくれた。

カウンターには大皿に盛られたおかず類が何品も並んでいる。

「これ、丼ぶり頼んだ人は全部無料だから」

耳を疑った。

海鮮丼を頼み、先におかずを頂いていると、

「はいお待ち!」

と、勢いよく運ばれてきた海鮮丼はボリュームたっぷりで、いくらとマグロがこぼれんばかりだった。

久しぶりに人の作った料理を食べて、ほっとした。

他のお客さんとの会話もはずみ、心に余裕が出てきた気がした。

この街で生きていく

翌朝、いつもより早くに目が覚めると、なんだか体が軽い気がした。

昨晩、あの店で楽しい時間を過ごしたからだろうか。

今日はいける気がした。

すぐさまシャワーを浴び、1限の授業に間に合うように家を出た。

外はいい天気だった。

まだシャッターの閉まったままの多摩水族館とモンローを横目に駅へと急いだ。

立川の街は、なんだかいつもよりきらきらしていた。

それは、初めてこの街に来た時と同じ感覚だった。

そうだ。

この街に決めたんだ。

この街で、僕は生きていくんだ。

立川のディープなお店たちに心の中でありがとうを言いながら僕は学校へと急いだ。

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