うちには、いくつか観葉植物やドライフラワーがある。
玄関や棚の上に置かれたその子たちは、今日も部屋ですくすく大きくなっている。
はじめて買った観葉植物は、パキラ。
引っ越してきたのはいいけれど、コロナ禍の満足に外出できない状況。
職場と家の往復ばかりで、気が滅入っていたときだった。
なんの変哲もないパキラだけど、迎え入れたその日から、部屋の中が少し明るくなったような気がしている。
コロナ禍での上京

昨年3月に東京に越してきた。
コロナが流行りだしてすぐだったこの時期、知らない土地への引っ越しの不安に、コロナという得体のしれないものへの不安も乗っかって、このころは、憂鬱が私の周りにずっとつきまとっていた。
きらきらした気持ちが持てず、家から出ることもできない。
東京での生活のスタートはそんな感じだった。
生活に必要な外出

引っ越してきてすぐやらなきゃいけないことは、スーパーがどこにあるのか、薬局はどこか・・・。
とにかく、生活必需品が調達できる近くの店を見つけておくことが必要になる。
私は卵とお米があれば、どうにかなると思っているので、とにかく卵が安く手に入るスーパーを見つけられれば、こっちの勝ち。
荷ほどきの合間を縫って、卵が安く手に入るスーパーを探した。
何軒か回ったところで、卵がコンスタントに安そうなスーパーを見つけて、私は意気揚々と帰宅したのだが、一つあることに気づいてしまった。
任務を終えてしまったのだ。
ということは、不要不急ではない外出理由がなくなってしまったということである。
外出理由が尽きたとき、思い出した北欧の慣習

卵が手に入ってしまえば、外出する理由がない。
外に出ないと、とくにおもしろい事件も起きないし、友達と電話をしても漠然と味気無さが胸に残る。
もともと、インドア派で、キャンプに行ったり、そういうことは能動的にするタイプではないが、さすがに堪えるなぁと思っていた。
鬱々とした気分でやる気も出ず、ゴロゴロしていたそとき、ふと思い出したのだ。
北欧では、長い冬の中でも生活を楽しむために、家の中をカラフルにして、気分を上げる、ということを。
迎え入れたパキラの木

「実践するなら、いまじゃん!」と思うと、みるみるやる気が出てくる。
ということで、さっそく部屋を見渡してみる。
しかし、よく考えると、なにから手をつけていいかがわからない。
考えてもわからないので、インスタグラムを手癖のまま見ていると、植物がたくさん置いてある部屋の写真がでてきた。
「これだ!」と思い、ネットで調べてさっそく購入。
次の日届いたのは、なんどもかわいい大きさのパキラ。
パキラは風水的に、「強い気を発する」と言われているらしく、それも相まってか、部屋が少し変わって見える。
私は嬉しくなって、「パッキー」という安易な名前を付けた。
インドア生活も悪くない

そんなこんなで、いまも私は部屋の改造にハマっていて、コロナ以前に比べると、家具やインテリアを考えることが格段に多くなった。
はじめて買ったパキラだけでなく、観葉植物も部屋のいたるところに置いてある。
最近では、置物や、土産品にも興味が出てきた。
せっかく東京に来たのに、行きたいところになかなか行きづらい生活が続く中で、残念な気持ちや、行き場のない怒りが沸く瞬間もある。
けれど、インドア生活も悪くないと思えるようになった。
どんな状況でも、好きなことを増やしていければ、日々が潤うこと。
北欧の慣習と、「パッキー」のおかげで知ることができた。
目の前の景色を少し変えるだけで、生活は楽しくなるのだ。
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