上石神井駅から徒歩3分・線路から徒歩10秒の物件に住んでみた話

西武新宿駅から急行で約18分。

2020年の1日の平均乗降客数は約3万人。

ちなみに西武新宿駅は約12万人。

隣の急行が停車しない上井草駅は約1万5,000人。

南口側には飲食店が立ち並びコロナ以前は賑わいを見せていた。

北口側ではガールズバーのお姉さんが客引きをし、カラオケ店の前では酔って上機嫌のサラリーマンがたむろする。

そんな駅、上石神井に私は5年ほど住んでいた。

私が5年間住んだ物件

当時私が5年間住んだ物件はこのようなものだった。

  • 駅から徒歩3分
  • 1K
  • 3階/3階
  • 鉄骨
  • 賃料65,000円
  • 南向き
  • バストイレ別

部屋を揺らす電車、鳴り響く踏切

私の住んだ家は踏切から徒歩10秒、まさに目と鼻の先。

ゴゴゴ・・・と、過ぎ去る電車が轟音とともに部屋を揺らす。

上石神井の電車は上下線ともに急行と各駅停車が10分ごとに停車する。

また、西武新宿線は30分から1時間ほどの間隔で特急レッドアロー号が通過する。

電車が通過するたびに震度1ほどではないくらいに揺れる。

部屋に住み始めた頃は本当に地震が起きているのかと勘違いしたほどだ。

しかし、揺れはそれほど気にはならない。

問題はその音である。

線路を通過する電車は5分おきに生活に割り込んでくる。

ふと思い立って騒音チェッカーというアプリでその音の大きさを測ってみたことがある。

最大で72db(デシベル)。

一般的に掃除機や目覚まし時計の音は60~75dbと言われている。

この音がほぼ5分おきにやってくる。

テレビを観ていればその間はほとんど聞こえない。

電話を部屋の中ですれば相手には電車の音で私の声が聞こえなくなるようだ。

そして、踏切に関してはかなりの頻度で鳴っている。

夕方の時間帯になれば常時作動しており、もはやBGMである。

夜中の悲鳴とサイレン

遠くからサイレンが鳴り響き、徐々に近づいてくるのがわかる。

サイレンは我が家の目の前で止まり、男性の声が聞こえる。

きっと警察官が到着したんだろう。

早朝5時、ようやく私は眠りについた。

上石神井駅の周りには居酒屋やスーパー、カラオケなどが立ち並び賑わいを見せる。

深夜に酔った人々が話す声が聞こえるくらいではなんとも思わなくなったときのことである。

「やめて!」

「死んじゃう!」

女性の悲鳴が部屋の外から聞こえてくる。

いつもの酔っぱらいのご機嫌な鼻歌とは全く違う。

女性が何度も大きな声を上げて助けを求めている。

恐る恐る締め切ったカーテンからこっそりと外をのぞく。

隙間から見えたのは女性と血まみれの男性。

そこには犯人、と思しき人影は見えない。

私は人生で初めて110のダイヤルを押した。

本当に恐怖に陥ると勝手に声が震えるもので

「事件ですか事故ですか。」

通報したときのお決まりの質問にも頭も口も回らずに、

「男性が誰かに暴行を受けたのか、倒れています!」

実際はここまでしっかりした文章を話していない。

警察は慌てる私から情報を聞き出しものの数分で駆けつけてきた。

線路から徒歩10秒の物件に5年間住んだ私

さて、上記のような体験をしてもなお私は5年間もこの物件に住み続けた。

惰性なのか、魅力なのか。

確かに、線路の音は1ヶ月ほどの睡眠不足と引き換えに慣れることができた。

酔っ払いの笑い声や談笑は時に、こちらも笑わされた。

行きつけだった和食が自慢の居酒屋はコロナ禍を乗り越えられるだろうか。

家の前を歩いていた小学生たちはもう中学生になっているだろうか。

今も上石神井の温かい景色を懐かしく思う。

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする